ジラール・ペルゴ ヴィンテージ1945はアールデコ調をベースとしたブランドの歴史を感じられる時計です。
今回は現代風に解釈したこちらの時計の魅力をご紹介できればと思います。
こちらは1945年のオリジナルモデルをインスパイアしてできたモデルです。
1940年代に作られたレクタンレギュラー型を元に1995年に復刻し、当時の良さを残しつつ、現代風にアップデートされたモデルでございます。
レクタンレギュラーのケースの時計は他ブランドでも展開されていますが、こちらのモデルは一味違った特徴を持つモデルです。
まず特筆すべき点としてケースのカーブです。こちらの腕時計は手に沿うような形でケースを造形され、着用した時のフィット感が違います。レクタンレギュラーとなると縦方向に長いケースであるため手首とての間に隙間ができ、動くたびに時計が揺れるといういった現象が起こりやすいですが、こちらは湾曲しているためケースとの隙間が埋まり着用ストレスを軽減されたという利点があります。
また、フォルムとしてもケースのカーブラインが美しくクラシックであり優雅なビジュアルとなっております。
この縦方向に湾曲したケースは当時にはよくみられたようですが、このケースはその中の一つで現代では特に珍しいデザインとなっております。
当時は裏蓋がフラットであったものの現代の技術でケース裏も湾曲させることに成功しました。
これは薄型のムーブメントを搭載することによって、ケース内部にゆとりを持たせることによって、ケース外部のデザイン性の幅を広げられるというものです。
また、ケース、さらに裏蓋はシースルーバックになっているため、サファイアクリスタルをカーブすることには多大なコストと技術力を要することがわかります。
これによって他ブランドの一般的なレクタンレギュラー型には表現できない美しさを放つことが可能となります。
クラシカルな洗練さを感じるレクタン型ケースは幾何学的なアールデコスタイルに分類されるところですが、ケースデザインによるモダンさとヴィンテージからインスパイアされたアールデコのクラシックな美しさが共存した他にない時計となっております。
ケース上下に配した水平のゴドロン装飾も当時を彷彿とさせるディティールです。
横に出っ張った部分をゴドロン(溝彫り装飾)と呼びます。
ジャガールクルトのレベルソの3本線もこのような仕様になっておりますが、それに比べるとこちらは溝を彫るというより出っ張っているデザインとなっており、よりダイナミックな印象を与えられますね。
この仕様もまた、直線基調なアールデコスタイルを彷彿させることができ、ヴィンテージから受け継がれた他にないようなデザインを継承していることがわかります。
まとめ
ジラールペルゴは特に玄人向けのブランドというイメージがありますが、確かなモノづくりをしているブランドで、特にこちらヴィンテージ1945はその技術を感じられるモデルかなと思います。
他の人と被りたくない方は是非チェックしてみてはいかがでしょうか。
ではまた。