すばる法律事務所 Subaru law office

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すばる事務所通信

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10.8.9号 詐欺事件と被害者の落ち度

 先日、インターネット取引など、カード等現金以外の決済手段を巧妙に利用した消費者被害をテーマにした弁護士会の勉強会に参加してきました。

  この勉強会では、様々な被害事例が紹介されましたが、大体の手口は取引とは名ばかりの詐欺的商法がほとんどであり、「よくこんなことを考えついたなあ」あきれるほどに多種多様です。中には、芸能人の関係者になりすまして、メールのやりとりを通じて出会い系サイトに誘い込み、高額の利用料金をとるといった、かなり大胆なケースもあり、非常に勉強になりました。

  ところで、詐欺的な商売を行う業者に対しては、不法行為に基づいて損害賠償請求訴訟を起こすことが被害回復の手段の一つとして考えられます。この種の事案では、相手方がどこの誰だかを突きとめるのさえ困難なことが多いのですが、何とか加害者が誰かを突き止めても、この種の訴訟では、裁判所が被害者の落ち度を理由に過失相殺を適用し、賠償額を減額してしまうことが少なくありません。

  このような裁判所の理屈に対しては、故意に被害を誘発した業者側に一方的かつ全面的な責任があり、過失相殺を適用するのは不当である旨の批判も強く、私もこの批判には全く同感です。確かに、悪徳業者の勧誘にウマウマと乗る被害者にも落ち度はありますが、業者側に斟酌すべき事情は全くなく、被害者の落ち度に対しては、賠償額の減額というペナルティを課すべきでは絶対にありません。

  裁判所は、詐欺事件の刑事事件になると、「その手口は極めて悪質かつ巧妙であり、被害者に落ち度は全くない」などとして、被告人を情状面で手厳しく非難するのが一般的です。

  刑事事件の被告人がこのような非難を受けてしまうのは仕方のない面もあり、また、民事事件と刑事事件の違いはあるとしても、手のひらを返したような裁判所の態度には、どうにも納得がいきません。(大菅弁護士) 

 

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