すばる法律事務所 Subaru law office

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すばる事務所通信

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10.7.12号 多重債務弁護士が生まれる?

 先日、弁護士会から司法修習生に対する給費制の存続を求める運動に対する協力要請がありました。

  法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)になるには、司法試験に合格した後、司法研修所で実務に関する講義を受けたり、実際に裁判に関する書面を起案したり、裁判所・検察庁・法律事務所に配属されて実務を学習するなど研修期間を過ごす必要があります。

  従来、こうした司法修習生には、国から給与が支給されていましたが、司法試験の合格者を大幅に増やしたことも影響して、今年の11月からは給与はゼロということになりました(代替措置として、希望者には生活資金が貸し付けられることになりました)。
  「自分が資格をとるための勉強のために、給与までもらうのはズルい」との意見もあるかもしれません。

  しかし、司法修習生には修習専念義務がありアルバイトは一切禁じられています(同様の立場に置かれた研修医には、国庫から養成資金が支出されます)。税金から給与を頂くことによって、将来、社会に奉仕する心を芽生えさせるという意味もあります(私自身も、社会の役に立てる仕事をしたいという気持ちを、常に心のどこかに持っているつもりです)。

  それ以上に、司法改革によって、現在、司法試験を受けるためには、法科大学院(ロースクール)を卒業する必要があります。卒業までの2〜3年間の学費は相当な額であり、多額の奨学金を利用する学生が少なくありません(その他、大学の学費のための奨学金やその他のローンを負担することもあります)。

  給費制が廃止されると、晴れて弁護士になっても、いきなり数百万円単位の借金を抱えた状態で仕事を始めなければならない弁護士が多数生まれることも十分予想されます(日弁連の調査では、現在の最高記録は1200万円ですが、今後、1000万円前後の「多重債務弁護士」は当たり前になるでしょう)。

  法曹人口の増加で段々と仕事がとりにくくなっている現状からすると、新人弁護士は、まず自分の自己破産・免責から仕事をスタートすることにもなりかねません。

  多重債務や破産の危険を背負ってまで法曹を目指そうとする人はそんなに多くないでしょうから、このままでは、弁護士は資産家の師弟しかなれない職業になり、そうなると優秀で理想に燃える人材も集まらず、社会全体にとっても大きな不利益となりかねません。

  給費制の維持は、既得権益の擁護などというものではなく、社会的に非常に有意義なことだと確信し、微力ながら私も可能な協力は惜しまないつもりです。(大菅)

 

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